恐怖の第2会議室

 

 

 


今日、恐ろしいことがおこった。
男の先輩(32)が年上の女の先輩(42)を殴ろうとした。


この一連の出来事が起こるまで、私も深く関わってきたので回想しようと思う。

 


まずはじめに。
私は上の人の意思決定を信頼していない。

何故なら昨年2億円の大失敗をしているからだ。良くない結末が予想できたにも関わらず、発言しなかった。みすみす上の指示に従った。どこか他人事だったのだ。

 


この日を境に、私は周りの意見や多数決には惑わされるのではなく、“自分がどう感じるか、周りの友達に自信を持って薦められる企画であるか”、これを最優先に念頭に置くことを誓ったのである。

 


さて、今回も新しいコラボキャンペーンのローンチに向けて、課題が山積みだった。
法務的にもシステム的にもコスト的にも課題が複雑に絡み合い、何から手をつけたら良いのか分からない状態にあった。


我々のグループの構造の最大の問題点は、権限委譲が上手くなされておらず、
チームリーダーであり発言権の大きいサイコパス女性が全て最終的な意思決定を行なっている点にある。

 


チームリーダー(42歳女性)は、時間もないため、課題から目を背け、現状のまま無理やり話を進めようと判断をした。(超自己中なところがこの人の嫌われる理由なのだ。)

 


しかし、今回の一連のことは「しょうがないよね」で見過ごせるような小さな課題ではない。(詳しくは書けないが)  実際に有名企業から改善要望も寄せられている。


今すぐ見直さなければ、何のためのコラボキャンペーンなのか、何を持って成功と呼ぶのかさえわからないことになる。

(2億円の失敗を経験したのに、また同じ過ちを繰り返すなんて耐えられない、、、!みんな何故何も言わないのか?みんな目を覚まして!)と感じた私はちょうど1週間前メンバー全員に猛抗議をした。

「このまま進めるのは絶対におかしいです!」

 


社歴が長いからか、メンバーの多くは頭では分かってはいるものの既に諦めている者が過半数で、私の意見に賛同してくれる者はいなかった。どうやら綺麗事だと思われたようだ。


周りの先輩たちの口癖は「でも、」「できない」。中でも一番頭にくるのは、白とも黒とも言わない、つまりはっきりと自分の意見を表さない者だった。意見を言わない人は、私からしたらテスト用紙を白紙で提出する生徒と同じである。

 


まるで、今Netflixで話題沸騰中のストレンジャーシングスのようだ。自分だけ裏の世界に迷い込んでしまったかのように、
周りに自分の話が伝わらない、事の重大さに気づいてもらえない日々が続いた。

 


私たちがやろうとしていることはお客様ありき、パートナー企業ありきで成り立つものであること、、。自社都合を押し付けたアンバランスな協業は絶対に失敗すること。。


しかし誰も理解してくれなかった。
唯一、営業チームで群を抜いて仕事ができ、商談合意率トップの五股不倫男(32)だけが賛同してくれた。一緒に解決方法を模索してくれた。


五股不倫男からの賛同が追い風となり、
ここ数日毎日懇々と訴え続けた結果叶って、緊急で全員で話し合う場がもたれることになった。

 


そしていよいよ今日13時から課題解決のための緊急打ち合わせが予定されていたのだ。


随分と前置きが長くなったが、
事件はここで起こった。

 


ピリっとした雰囲気の中、
サイコパス女の提案により、
15人のメンバーが3つのグループに分けられる。それぞれのグループで制限時間30分以内に課題を出し合う。


いつもとは違う斬新なディスカッションの場を設けることができた事に対する自己満なのか何なのか分からないが、サイコパスが嬉しそうに写真を撮り出した。
こちらが真剣に話し合う最中だというのに。。


サイコパスiPhoneのカメラがこちらを向いている。
(またやってんなー。今そんな悠長に楽しめる状況ちゃうやん。この人頭おかしいんかな。)
と思っていたら、同じグループで議論をしていたいつもふざけてニコニコしているムードメーカーの五股不倫男の目の色が変わった。


五股不倫男:「〇〇さん(←サイコパス)写真撮らないで欲しいです。消して下さい。」


サイコパス女:「え〜なんでー?ダメなの〜?笑」


五股不倫男:「おい... 写真消せよ。」


(何故か次の瞬間私と目が合う。見た事ないくらい怖い顔してたので、うわこれはまじなやつや、、となぜか私が硬直。)


サイコパス女:「分かったよ、消したよ〜」


五股不倫男: パソコンを机に叩きつける。
「.....てか、おい!お前何なんだよまじで。ふざけてんのか!みんな真剣に話し合ってんのに。
なんなんだよ。お前!!」


五股不倫男がサイコパス女に詰め寄っていく。サイコパス女との距離がどんどん近くなる。
頭が真っ白になる。
そう。私の目の前で、たった今、150cmもない小柄な女性が174cmの男性に殴られそうになっているのだ。
見兼ねて男性2人が止めに入る。

 

 


思うに、写真を撮った事はあくまできっかけに過ぎない。サイコパス女のヘラヘラした態度、かき回すだけかき回し、なかなか課題を解決しようとしないサイコパスの態度に腹が立ったのだろう。

これまでの積み重ねが爆発したのだと察している。五股不倫の気持ちは痛いほど分かる。

 


果たして、キャンペーンは成功するのだろうか。厳しい道は続く。。